俺はラテン系になりたかった2018

カランカラン
「あら~、どよどよさん、いらっしゃ~い、久しぶりじゃなーい」
(カウンターに座りながら)
「ママー、久しぶりー」
「やっだー、ちょっとー、すっごい暗い顔~、何かあったの?」
「んー、ちょっとねー」
「まあまあ、のんびりしてってーや、ハイおしぼり」
「ありがとう~、ふぁー、ママのお店はほっとする~、シャンディガフちょうだい」
「はいはい、ハイこれね、私の実家で取れたアスパラ。あんまくって美味しいのよ~。塩で食べてね」
「うまそー!いただきまーっす。…んまーっ!あまーっ!」
「でしょうー、旬よ、旬」
(お箸でアスパラに塩をトントンしながら)
「ねぇママ、考えすぎな性格って、直せるかなぁ」
「なぁに急に。どよどよさんがいろいろ心配して気を利かせくれるから助かってる人もたーくさんいるんじゃない?」
「いやー、今月も生理来ちゃってさー」
「あらぁ。妊活がんばってるのねぇ」
「年も年だからさぁ。でさー、昨日生理来ちゃってすっごい落ち込んでたんだけど、今日、産休明けの同期に会っちゃって。産後初めて会うのに、動揺してベビーの名前すら聞かなかったわ」
「ねー、辛いやねぇ、そんなときにそんな人に会いたくないわねぇ」
「保育園希望のとこ入れたとか、ベビーは7時に寝るのが寝付きがよくていいとか、もー聞いてないよーって感じでさ、アハハ」
「アハハ」
「おまけに私の髪型見て、『ちょっとそれ髪の毛どうしたの?それパーマ?』とか言ってくるしさ。これおしゃれでやってんだけど!笑!ってゆー笑」
「えー似合ってるじゃないふわふわでー」
「ありがとママァ、そんなの言ってくれるのママだけだよー」
「あら、そーぉ?どよどよちゃんいっつも髪型かわいいわよ~、ハイ、シャンディガフ
「ありがとう~・ぐびぐびぐびプハーッ、ひぃ~沁みるわぁ~」
「もー良い顔して飲むんだからぁ笑」
「でもさぁ、妊娠しやすいひと!でぐぐるとさぁ、パッパラパーの方が妊娠しやすいのかなぁって、凹むのよねぇ」
「なぁにパッパラパーって笑」
「なんかー、細かいこと気にしないでおおらかでさ、ストレスがない生活してるってゆーか。そういう人は妊娠しやすいんだってさっ」
「あらー、そうなのー?初めて聞いたわ。どよどよちゃん繊細だもんねえ」
「そー私なんてさーやれ漢方がいいらしい、やれ鍼がいいらしい、やれお灸がいいらしい、って…試してばっかで。たまに漢方飲みながら旦那に『私ばっかやることいっぱいあって!男はいーよねただ気持ちよくなって出せば子供できんだから』って八つ当たりしちゃったりしちゃうもん」
「ひゃー旦那さんかわいそう~っ笑」
「ね、かわいそうだよねアハハ。でさ、私って仕事も頭使うじゃん?」
「お仕事なんだっけ、プログラマー?」
「そーそー、大体そー。すんごい頭使うんだよね、プログラミングしたり特許書いたり論文書いたり…でもさ漢方のおっさんが言うにはさぁ、頭使うと、腎ってやつを消耗するらしいのよ。で、腎ってやつは生命力とか生殖器も司ってるらしくて、腎を消耗しすぎると、妊娠しにくいらしいのよ」
「あら~そうなの?ていうかどよどよちゃん頭良いもんね~っ」
「うふふ占い師にもそう言われた」
「エーッ占いで頭いいかどうか分かるのぉ?私ぜったいおバカ判定されちゃう~爆笑」
「ママはおバカなふりしてみんなを和ませてくれてるだけで、人としては賢いよね」
「ヤダー、マジレスーッ」
「そーなんだよなぁー、すぐマジレスしちゃうしさぁ、小難しいんだよね私…」
「どよどよちゃんって普段ひとりでいるときから難しいこと考えてるの?」
「どうかなー?でも確かに仕事のこと調べたりややこしいこと考えてるかなぁ…もーヤダこんな性格ッ」
「うーん、でも私はどよどよちゃん素敵!って思うけどなぁ。好奇心もって調べて、人に分かりやすく伝えて…って、こども持ったら必要なことじゃない?どよどよちゃんみたいなママ、絶対楽しいと思うわよこども!」
「そうかなぁ~。ありがとねママ、話聞いてもらってたら少し元気出てきた!つくねちょうだい!」


ってな感じで。
やっぱつくねっすよね。