30歳までにやって良かったこと10のこと

よくこういうタイトルの記事とか本とかあるよね。でも、一番大事なのは"自分の"経験をどう捉えるか、だと思った。"自分の"経験に対して深い洞察がある人ってやっぱり素敵だし、他人の洞察を読んでいても深く身にしみないというか。一番いいのは、自分なりに自分の経験を整理することじゃないかな。というわけで、僕も「○○歳までに経験して良かったこと」「○○歳までに経験しておけば良かったこと」シリーズを書いてみようと思う。みんなもこの記事読むより自分の経験について書いてみる方がいいかもね!

1. こういうことに興味があると周囲に話しまくること

これは主に中学〜大学時代にやっていたこと。人に話すことで自分が持っている情報以上の情報が得られて、進路の選択肢が広がった。"Think Aloud"(声を出しながら考えよう)というやり方があるそうで。これは、黙々と仕事をするよりも、独り言でも雑談でもいいから声を上げながら仕事をすると、周囲からの手助けを得易くなるというもの。そんなこと当時は知らなかったけど、"Think Aloud"を自然と実践していた。

中学時代は教育に興味があって、教育関連の新聞記事の切り抜きに色々考察を書き込んで、親友と交換しあってた(今思うとなんて渋い中学生!)。その親友が面白い本や先生を紹介してくれて、視野が広がった。

高校時代は物理や化学が好きで、よく授業の後に質問に行ってた。でもやっぱり興味は教育にあって、将来は教育学部に行って小学校の先生になろうと考えてた。ある日化学の先生に、教育学部に行こうと思っていると話したら、「先生にはなろうと思えばいつでもなれるから、大学では理系に進んで、自分の専門を深めるのがいいのでは」と言われた。確かに、理系の勉強をした後に教育者になるのはできそうだけど、逆は難しそうだ、と思って、結局理工学部に進学することになった。傍ら、やっぱり子どもに教えるということに興味があったから、予備校の個別指導や家庭教師、公文なんかでバイトした。

大学時代は、最先端の技術に興味が出るようになって、いろんな展示会を見に行くようになった。それで友人に会えば、あんな技術があってかっこよかった、こんなの作れたらかっこいいんではないか、などと話しまくっていた。ある日ファミレスでそんな話をしていたら、こんな研究室があるよ、って友人に教わって、その研究室に行って、また別の研究室を紹介されて、結局大学院ではその研究室に行くことになった。

色々な先生、友人が僕をここまで導いてくれた。

2. 好きなものを身につけること

これは"Think Aloud"のビジュアル版だと思ってる。さしずめ"Think Visible"って感じかな。興味があるものをデスクの周りに置いたり、好きなアーティストのTシャツを着たり、そんなふうに情報発信する方法もあると思うんだ。それを見た人が、これが好きなの?それならこれも好きじゃない?と声を掛けてくれるようになる経験が、何度かある。

それは学部4年のこと。学部時代に所属していた学科ではやりたいことをやりきれなかったので、僕は学科を変えることを検討していた。そんな中訪れた研究室で、わいわいと話していたところ、ひとりが僕のスケジュール帳を見て、「アートに興味があるの?」と声を掛けてくれた。当時僕が使っていたスケジュール帳は、表紙に透明なビニールポケットがついていて、僕はそこにTokyo Art Beat(都内の美術展のカレンダー)を挟んでいたんだ。声を掛けてくれた彼もアートに興味があって、話をしているうちに、彼の知り合いの面白い研究者を紹介してくれた。これが運命で、僕はその研究者と修士時代、一緒に仕事をすることになった。これがとんでもなく素晴らしい経験となったんだ。

Tokyo Art Beatをスケジュール帳の表紙に入れてなければ出会わなかった出会い。そう考えると運命ってとても不思議。より多くのチャンスを得るために、"Think Visible"は大事かもしれない。

3. 面白そうな人には片っ端から会ってみること

これは大学時代にやっていたこと。展示会で見かけた技術で面白い!と思うものがあると、ネットで調べて連絡を取って、それをやっている人の話を聞きに行っていた。当時僕はプログラミングも電子回路の組み立てもできなかったけれど、少し仕事のお手伝いをさせてもらったり、プレゼンを見てもらってアドバイスをもらったり、刺激を受けていた。

僕は時々仕事仲間に「発想のセンスがいい」と言われることがある。これはきっと、色々な分野の人の技術を見たり話を聞いた経験が活きているからだと思う。

4. 旅行に行きまくること

僕は28歳で結婚した。結婚するまでは(結婚してからもちょこちょこ行ってるけど)、とにかく長期休暇には旅行に行った。旅をすると、大自然や異文化が身体の中に入ってきて、パワーがみなぎるような気がした。

親友が秘境好きなのもあって、ペルー、インド、ネパール、カンボジアベトナム軍艦島屋久島、宮古島沖縄本島など、アドベンチャー感満載な旅行もしたし、カリフォルニア、ニューヨーク、ハワイ、チェコハンガリーオーストリアにも行った。個人的に18切符での旅が好きで、青森のねぶた、秋田の竿燈祭りも見たし、鳥取砂丘も見に行ったし、本州の西日本をぐるっと巡る一人旅もした。京都も好きで、何度も行った。島も好きで、瀬戸内海の島巡りもした。

姉も旅行が好きで、あちこち旅をしていた。私が大学生の時に、「バイトで稼げるような額は社会人になればすぐ貯められる。でも社会人になるとそんなに長い休みを取れなくなる。だから学生の間はお金は貯めるより旅行に使った方がいい。」とアドバイスをくれて、だいぶ影響を受けたんだけど、姉よ、まじでナイスアドバイス

5. 本を読みまくり、映画を観まくり、音楽を聴きまくること

小説や現代思想の本をとにかく読み漁った。映画もミニシアターに足繁く通ったりDVDを一週間で5本とか観たりしまくった。ライブも行きまくった。フジロックも行った。

小説、映画、音楽は、人に深い感動を与えると思う。テクノロジーやサイエンスではまだまだ立ち入ることのできない人間の深みに触れることが出来る。僕は小説、映画、音楽が大好きだし、これらを通じてたくさんの友達もできた。小説、映画、音楽について、友人達と話しながらお酒を飲んだくっていたあの経験は、とても豊かだったと思う。

あと5個は以下のような感じなんだけど、他に書きたい切り口出てきちゃったから、そっち書く。チャオ。

6. 失敗を恐れず熱中したこと

7. 男女年齢関係なくとにかくいろんな人と遊びまくったこと

8. 恋をしたこと

9. 結婚をしたこと

10. がんになったこと