社会人になってから受けたトラウマを乗り越える方法
社会人になってから、変わったなーと思う。
悪い意味で、変わってしまった、と思う。
社会人になる前までは、すごくうまくいっていたと思う。
よく、「心の問題は子供時代に原因がある」って言うけど、
私の場合は、完全に社会人になってから受けた影響が強いと思う。
社会人になるまでは、
- 親の愛情をたっぷり受けていた
- きょうだい仲も良かった
- 小学校、中学校、高校、大学と、先生に恵まれた
- 友人関係や恋愛関係も充実していた
- 習い事もうまくいっていた
- 例えば成績が悪い時期も、誰かと比較して凹むという思考回路がなかった
- ありのままの自分が好きだった
- 自分の選択に自信があった
- 未来は明るいと信じきっていた
社会人になってから、
- 先輩と比較してくる上司が増えた
- いわゆる「デキる」先輩が周りに多い環境になった
- 「デキる」先輩は褒められ、自分は褒められない、というのが日常茶飯事
- 〇〇君は君の年次の頃、もうあれができていたよ...など比較され続けた
- 後輩の目の前で部長にディスられた
- 部長から毎日毎日「あれはまだできていないのか」とプレッシャーをかけられた
という環境になり、
- 他人の言動が気になるようになった
- 他人の評価が気になるようになった
- 人と比較するようになった
- 他人の成功を喜べなくなった
- 他人の成功は自分の失敗であるように感じるようになった
- ありのままの自分を認められなくなった
- 「私バカだから」が口癖になった
- 賞を受けても喜べなくなった
- 「入社した頃より卑屈になったよね」と言われるようになった
- 自分で自分のことを責めるようになった
- 自己肯定感が全く持てなくなった
- これが5年間続いた結果、病んで2年休職することになった
「毒親」ならぬ「毒上司」に当たり続けてしまったのだと思う。デキるお兄ちゃんと比較され続けられた、デキない妹は、きっとこんな気持ちなんだろうな、って、嫌って程理解した。デキる先輩と比較され続けたことで、デキない自分を否定するようになってしまったんだと思う。
病んで倒れる直前は、自分を取り戻そうと必死だった。
- 毎日帰り道に「自己肯定感 取り戻す」等で検索しまくっていた
- 中村天風の「絶対積極的でいろ!」みたいなHPを読んで鼓舞していた
- ローラの動画を見まくって、明るく振る舞おうとし続けた
- 毎日仕事が始まる前に10分間、手帳と向き合い、人生で大切なことTOP5を確認した
- 昔自分が好きだった場所(青山スパイラルとか)に行ったりした
- 髪の毛を明るい色にしてテンションを上げようとした
- カイロプラクティックに行って内面から良くなろうとした
- 仏教の本を読みまくった
でもどれもダメだった。どれも一時的にテンションを上げる対処療法で、私はもうガソリンがないのにずっとアクセルを踏み続け、ほんのちょっと給油してはまたアクセルを踏み続け、という生活を繰り返して、結果的に仕事ができない身体になった。
話を元に戻そう。なぜ社会人になってから起こった環境で、私は病んだのか。子供時代に環境に恵まれすぎるのは、幸福なことだけれど、ある側面での強さ---本当はそんな強さ必要ない優しい世界を私は望むけれど---が育っていなかったんだと思う。
- 否定されることに慣れていなかった
- 嫌なことを言われることに慣れていなかった
- いい人過ぎた
- あの人が言っている事の方が正しいんだろう...と真に受けてしまった
- 自分を守ることに慣れていなかった
- 嫌だと思うことを嫌と言うこと、すなわちアサーションが出来ていなかった
- やりたくないことを自らやると言ってしまった
- 自分の気持ちを意識的に尊重することに慣れていなかった
- 辛いときに誰かに相談することに疲れていた
2年休職して、復職して、半年経って、また倒れた頃と似たような嫌な感覚を持つようになったのだけど、今回の私はちょっと違った。
- 嫌な仕事を片っ端から断った
- 出席する必要がないと思う定例の打ち合わせに出るのを止めた
- 嫌な人事が発生しそうな時は先手を打って嫌なことを回避した
- 身体が動かない日はムチを打たずに休んだ
- そんな自分を認めることに徹した
- すぐにカウンセラーに相談した
- 悪くなる前に心療内科を受診した
- なんなら占い師を頼った
- 具体的に転職活動を開始した
- 社内のあまり話したことがない人にも広く相談をした
- 社外の友人に相談をした
- なんなら、こんな悩み多き自分もいいじゃん♪と思う余裕もちょっとある
子供の頃に受けた仕打ちやトラウマが、心の問題ではよくフォーカスされるけど、社会人になってから受けるトラウマも、その人の人生を苦しめるし、大きな影響を与えると思う。でも、苦しむ過程で出会った人や情報のおかげで、似た境遇になったときに、今度はほんの少しであっても対処できるようになる。
何がトラウマになって、どううまく行かなくなったのか明確に把握すれば、
トラウマと似た事象が起きたときに、少なくとも、
「こうすると悪くなってしまう」という知識はあるので、
それを回避するようにすれば、ほんのちょっと、
トラウマを乗り越えたことになるんではないかと思う。
例えば私の場合、
「元気ないときに無理にローラや中村天風の真似をして元気を出しても、よけい元気なくなるだけだから、元気ないときは元気ない自分を認めて大人しくしておく」とかね。
きっと、愛情の塊だった25年間を与えてくれた代わりに、
苦しい5年間を与え、病気になることで逃げて、でも悩む2年間を与え、
そしてまた似たような問題を出して、
今、神様は、私を試しているんだろうな、と思う。